星状神経節ブロック 

星状神経節ブロックは喉ぼとけの外側2cm程度のところに針を2mm程度刺し、局所麻酔薬を注入する神経ブロックです。頚椎の横突起の腹側に頚長筋と言う筋肉がありそこに薬を注入することで、星状神経節と言う自律神経に作用します。
頭部、腕、胸部を支配している領域の交感神経線維の興奮を抑えることで血行改善、筋緊張を抑える、痛みを軽減することが効能としてあります。また大脳皮質、視床下部、扁桃体、海馬に作用を及ぼし様々な心理、感情面の安定化の作用があることが知られています。
さらにその視床下​​部への作用は、自律神経系、心血管系、内分泌系、免疫系を調節することになります。
視床下​​部への作用を介して、ノルエピネフリンとコルチゾールのレベルを低下させることで体のストレス反応を弱め、人間の免疫機能の回復を促進し、さらに炎症を抑制します。
片頭痛、群発頭痛には交感神経の過剰活動の抑制または血管の炎症反応の減弱させることで治療効果があります。また交感神経抑制による頭頚部の筋緊張がおさまり難治性筋緊張性頭痛にも非常に有効です。
交感神経の過剰興奮の抑制、一酸化窒素やプロスタグランジンなどの血管収縮物質の合成と放出の減少により頭頚部への血液供給の改善することで自然治癒を高める側面があります。
様々な作用により疼痛以外の副次的な効果が指摘されています。
最近では非常に難治性の致死性不整脈、狭心症に対して(つまり薬物療法や、植込み型除細動期を装着している患者さんなど)米国をはじめとした先進医療の中で星状神経節ブロックによって治療効果が報告されています。これは一般的ではない稀なケースですが、星状神経節ブロックの様々な効果は40年以上前から報告されていますが、evidenceが重要な21世紀の医療においても実績が集まっています。

対象疾患
片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛、頚椎症性頭痛、頚椎椎間板ヘルニア等による肩甲骨内側や腕への痛み、顔面の帯状疱疹、ホットフラッシュ、肩こり、

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