椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア

10代以上~60代前後までが発症します。(50代~60代は腰部脊柱管狭窄症の要素も混在する状態のことが多いです。)腰痛 坐骨神経痛 間歇跛行(しばらく歩行すると次第に坐骨神経痛や腰痛が出現する)が特徴なのは腰部脊柱管狭窄症と同様です。

年齢が40代までであったり、前屈で痛みが出るときは椎間板ヘルニアを強く疑います。(後屈の痛みがあっても椎間板ヘルニアの可能性はあります。)腰部脊柱管狭窄症と違う点は経過です。椎間板ヘルニアは自然治癒が期待できます。50%の確率で2カ月以内に改善します。残りの方は1~10年以内に改善する予想となります。)
椎間板ヘルニアは腰椎と腰椎の間のクッションである椎間板をアンパンに例えると、アンパンを上下で潰すと中の餡子が外に飛び出します。餡子が飛び出す方向が腰骨の後ろ側であり、そこに神経がはしっているため、神経痛が出現します。飛び出した2か月程度は炎症が起こり、それによる激痛が起こりやすいです。その後、炎症が収まっても飛び出した椎間板の圧迫による神経痛が慢性的に持続します。飛び出したばかりの椎間板の餡子は不安定で腰骨に負担がかかるとさらに外に飛び出してしまいます。(ヘルニアが増大するのです。)
ですから2か月以内は再発、悪化しやすい時期ということが言えます。硬膜外ブロック、神経根ブロックが有効です。

 

予防 対処法

腰を前かがみするストレッチは神経根の滑走性の改善、太もも裏側の筋肉のこわばりを緩和することで疼痛の改善する可能性のある動きではありますが、椎間板が増大化しやすい発症後2カ月は危険のある動きでもある、改善するか悪化するかのギャンブルとなることを知らなければいけません。いつか治癒する疾患であるのに悪化させてしまうと精神的ダメージはかなり深刻になります。

発症2カ月は改善させる動きを考えるとより、悪化する動きをしないことが重要です。椎間板に負担がかかる前屈、重量物を持つ、走る などのことをできるだけ控えることを心がけてください。3か月を過ぎた場合、飛び出たヘルニアの炎症が収まり、安定化し増大するリスクがへるため、日常生活の制限を徐々に解除し、前屈したり、重量物をもったり、走ったりも制限なしにします。

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